VOICE / 吉村智美

フランスで3年間、ワイン造りとソムリエの勉強をし、2001年に福岡に戻りました。帰国して日本にワインを根付かせたいという思いでワインバーをオープンし、同時に、九州日仏学館でワイン講座を開講、そして、山梨県を中心に、全国のワインナリーを訪問しました。

いつかは、糸島でワインが造りたいと思っていましたが、一人では難しいと思っていました。糸島には、ワイン用の葡萄がありませんから、一から葡萄の木を植える必要があります。また、うまく育ったとしても、三年間は、ワインを造る事はできません。やってみたいけど難しいと思っていた時に、中村真紀さんからお声をかけて頂き、みんなと一緒であれば糸島でワインを造るという事も可能なのではないかと思いました。

それから、朝倉のStudio go go Wineryの山田さん、北海道やフランスの友人に、どんな品種を植えたら良いのかというところから、日本でワインを作る大変さをいろいろと教えて頂きました。その上で、まずは、白ワインを作ろう！　そして、できるだけ、オーガニックで！　という結論に達し、糸島ワインプロジェクトがスタートしました。

食材の宝庫である糸島には、鯛の水揚げが全国1位だったり、貴重な日本固有種のはまぐりがあったり、お刺身で頂ける新鮮なイカが揚がったり……魅力的な魚介が沢山あります。そんな食材に合う、爽やかな味わいのワイン、地元のワインがあったら素敵だなと思います。糸島の特産品のひとつにワインが加わると嬉しいです。葡萄畑ができて、醸造所ができたら、ワインツーリズムのきっかけとなり、糸島に世界中からワインと食を求めて多くの人に来ていただけるかもしれません。ワインには、人と人を繋ぐ力があるといいます。ワインの力で色々なご縁が生まれますように。