ワイングラス

VOICE / 貞刈康隆

糸島から世界に届けられるものを作りたい

アルコール飲めないんですけど周りからは強そうに見られるんです。

お酒を初めて飲んだのは、鹿児島大学農学部入学後の新歓コンパ。ストームと呼ばれる焼酎のいっきをしたところ気が遠くなりました。
その後、パッチテストをしたらテスト液塗布の跡が真っ赤になったんです。

そんな私が、なぜ糸島ワインプロジェクトに入っているのか。
始めたきっかけは、有難いことに勤めている会社側からのお声掛けでした。
糸島での地域貢献活動を会社としても応援するので、実際にやってみないかと言っていただきました。
はじめは、何をしていいのかわからず、ただ打ち合わせに出て、ワイン作りやブドウ栽培について勉強させてもらっていました。
数カ月、勉強会に参加して糸島の皆さんと交流していくうちに、メンバーのワインを作りたいという熱意が自分に浸透していくのを感じました。
糸島の土地で育った葡萄で、糸島の地で醸造したワインを作って、世界に糸島の人が自慢できるワインをつくっていきたいと感じるようになったんです。

色々なツテを頼って、岡垣町や北九州の平尾台にあるワイナリーで研修させてもらったりしながら、ワイン作りの大変さや葡萄栽培の難しさを肌で感じるたびに、心が折れそうになるときもありますが、糸島の人たちの中にいると、自然と、何とかなるんじゃないかと思ってしまい、“また、頑張る”を繰り返しています。(笑)

糸島の青い海や砂浜に合うワインができたら素敵じゃないですか?(笑)

糸島で今育てようとしている葡萄について、1種類だけですが、少しだけご紹介させてください。

今で育てようとしているのは、アルバリーニョという葡萄です。
アルバリーニョはスペインやポルトガルを原産とする白ブドウで、スペインの代表的な白ワインの品種です。
果皮が厚いため多湿な環境でも病害に強い品種です。
近年は日本の新潟県や大分県でも栽培されるようになりました。
いずれも海に近い場所が産地です。
アルバリーニョから作られるワインは、産地が海の近くであることや、とりわけ魚介との相性が良いことから、“海のワイン”と呼ばれています。
糸島で育てるにはぴったりな品種だと思いませんか?

アルバリーニョの産地であるポルトガルでは魚を塩焼きにして食べる風習があり、和食の代表である天ぷらもポルトガルから伝えられたと言われています。
他にもカルパッチョやパエリヤなどに合わせるのも良いと聞きました。
アルバリーニョは海のワインと言われるだけあって、和食洋食問わず海の幸との相性は抜群なんです。

ヨーロッパの西端で栽培されてきたアルバリーニョが、遠く離れた海のそばの糸島でも栽培され、そのワインが楽しまれていくと考えるとワクワクしませんか?

今、少しずつですが畑の形ができています。
世界の共通の文化であるワインを糸島で。

今後、もっと糸島でワインを作りたい、作ってみたい、ワイン用の葡萄だけでも栽培したいという人が増えていって、糸島にワイン文化が育まれていって欲しいと感じています。

貞刈康隆

福岡県立筑紫高校から鹿児島大学農学部を卒業。
建材メーカー、地方公務員を経て、現在は食品メーカー(福岡市)に勤務。
仕事の傍ら糸島でワイン造りに励む。

プライベートでは、小学校からアイスホッケーを始め、大学では、カナダ・トロントの大学主催のサマーキャンプにも参加。ボランティアでジュニア選手にスケートを教える。大学生で全日本選手権、社会人で国体に出場経験有り。YouTube『やすたかチャンネル』にて心と体が健康になる情報を発信している。
趣味は、飲めないのに美味しい居酒屋探し。

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